地方病教育推進研究会ブログ

山梨県地方病の制圧までの歴史

地方病教育推進研究会設立1周年記念大会報告③(最終)

地方病教育推進研究会事務局です。(ブログ第78号)

 

地方病教育推進研究会設立1周年記念大会報告の3回目(最終回)です。

写真は討論(意見交換)の進行をする筆者です。

主な意見を掲載し総括とします。

 

一般参加者の声:

本研究会の活動は、単に風化させないということだけでなく様々な分野で将来その知見が活用される可能性を感じます。活動に敬意を評します。(甲府市在住)

たまたま新聞で知った記念大会でしたので、今回始めて参加させていただきました。会の趣旨などがようやく理解できました。継続して研究、討議されていること、大切な御苦労と思いました。(北杜市在住)

現場の校長先生からのご意見:

地方病の出前授業(出張授業)を各地教委に伝えて、校長会等で知らせていただくと広まっていくと思います。他地域の社会科研究会や実践家との連携も必要だと感じます。(甲斐市在住)

 

研究者から後日メールでご意見をいただきました。

本研究会の今後の活動の方向性について、5点上げていただきました。その5番目のご意見(提案)です。

もう、本邦では終息したので、もうそれでよいのでは、というご意見に対して⇨今の日本は平和だから、ウクライナパレスチナの問題は関係ないのと同じ事だと認識して、世界に目を向けて住血吸虫症(日本〜、メコン〜、マンソン〜、ビルハルツ〜)を唯一終息まで持ち込めた世界で唯一の国としての認識を持つ(ことが、大切)。(栃木県在住)

 

最後の討論(意見交換)では、限られた時間の中で様々なご意見をいただきました。年2回の研修会ですが、今回もとても充実した討論でした。事務局として今後の活動推進に活かしていきたいと決意しました。

 

小林照幸著『死の貝』文庫版(新潮社刊)を改めて丁寧に読み返しました。小林氏は、あとがきに次のように記しています。

この病気にかかわってきた多くの先人たちに感動と敬意を抱いた。水田での農作業が主な感染経路となっていることが判明したとき、命懸けの農作業を続けた農家の方々の心中はいかばかりだったか、箸と茶碗でミヤイリガイを拾い集めたときの胸中は、と慮った。資料を読みながら、泣いたことも一度や二度ではない。日本人の真摯さ、勤勉さ、優しさ。日本人であることの誇りを、世界に誇るべき日本住血吸虫症の克服史が自覚させてくれた。

風化しゆく「日本住血吸虫症の恐ろしさ」と「多くの先人の努力」。これらを伝え残したい、というのが本書の執筆の強い原点となった。P294-296)

 

地方病教育推進研究会

事務局長