地方病教育推進研究会ブログ

山梨県地方病の制圧までの歴史

「タイ肝吸虫症」予防プロジェクト

 地方病教育推進研究会事務局です。

 山梨大大学院の宮本和子教授(国際看護学)は、長年カンボジアで流行している「タイ肝吸虫症」(注)を予防するプロジェクトに参加して活動されています。今も現地で住民に川魚の生食によってタイ肝吸虫症に感染する危険性があることを訴え続けています。

 宮本先生の活動は、「感染症アーカイブス」でも報告され、その活動の一旦を紹介されていました。昨年10月、甲府市で開催された第81回全国公衆衛生学会総会においては、地元研究者として活躍。また本年5月の地方病教育推進研究会設立総会では、地元研究者としてあいさつをいただきました。

 先生は、昨年に続き今年もカンボジアに赴いて活動をされています。今回のブログは、宮本先生が、海外に赴き活動を続けている様子を新聞記事を通して紹介します。

 山梨日日新聞2018年(平成30年)2月8日号では、次のように掲載されています。

 

 吸虫症予防に山梨の経験 宮本教授きょうカンボジアへ 

 カンボジアで流行する「タイ肝吸虫症」を予防するプロジェクトのリーダーとして、山梨大大学院教授の宮本和子教授(国際看護)が首都プノンペン周辺の3州6村で予防対策に当たることになった。プロジェクトは宮本教授が企画し、感染の原因や経路などを周知し、自発的な予防態勢の構築を目指す。8日に現地へ向かう。宮本教授は、過去に山梨県でまん延し、地方病と呼ばれた日本住血吸虫症に触れ、「寄生虫病を撲滅した山梨に代表される日本の経験を現地で生かしたい」と意気込んでいる。

 次号に続きます。

 

(注)タイ肝吸虫症は、コイ科の淡水魚を生で食べることによって感染する食品に由来する吸虫症の一つです。厚生労働省によると、感染初期は無症状か、ほぼ症状がないため見過ごされることが多い。タイ肝吸虫の成虫が肝臓の小胆管に寄生して炎症を起こし、重篤で死に至るような肝臓がんを引き起こすこともある。インドシナ半島に分布し、感染者は、3000万から4000万人と推計されている。日本は同吸虫が確認されておらず、国内感染の報告はありません。

 

地方病教育推進研究会

事務局長