地方病教育推進研究会ブログ

山梨県地方病の制圧までの歴史

ホタルの復活ー地方病との闘い①

地方病教育推進研究会事務局です。(ブログ第106号)

読者の皆様の地方では、天気はいかがですか。甲府盆地の冬はとても寒く、昨日は最低気温−5度を記録しました。今はどんよりとした曇り空でこれから雪か雨になるようです。

 

表題にあるようにこれから何回か「地方病とホタルの関係」について書きたいと思います。

  ホタル復活へ地域一丸 昭和町小中校や団体連携  幼虫飼育

これは、山梨日日新聞に2025年1月9日付けに掲載されたものです。以下本文記事の一部を編集し昭和町の学校での取り組みを紹介します。

 

昭和町は、街のシンボルであるゲンジボタルの復活を目指すプロジェクトに乗り出した。部活動の地域移行を進めている枠組みを活用し、小中学校や地域団体が連携して幼虫の飼育などに取り組み、再びホタルが舞う町を目指す。

町教委などによると、町はかつて清流に恵まれた「ホタルの町」として知られ、町内4小中学校の全ての校章にホタルがデザインされるなど親しまわれてきた。しかし地方病(日本住血吸虫症)との闘いに伴い、住血吸虫の中間宿主となるミヤイリガイ対策でホタルの餌となるカワニナが減少。市街化も進み、明かりを嫌うホタルが激減した。

昨年12月中旬、町内全小中学校それぞれに、1センチほどのゲンジボタルの幼虫約10匹と水槽を寄贈。各校は愛護会メンバーの指導を受けながら幼虫を育てている。順調に育てば、今年5月下旬から6月初旬に光を放って舞う姿が見られるという。

 

地方病制圧にはその中間宿主であるミヤイリガイ(宮入貝)撲滅が急務でした。そのために側溝に薬剤を散布したり、直接バーナーで焼却したりと地域住民と行政が一体となり撲滅に取り組みました。中でも昭30年代以降溝渠(側溝)のコンクリート化を進めたことによりミヤイリガイ駆除は大きく前進しました。

その一方で溝渠に棲むホタルの餌カワニナも生きることできなくなりました。それで地方病対策を推進した昭和町を始め地方病流行地には、ホタルが見られなくなったのです。

 

昭和町のホタル復活の願いは、様々な書籍で見られます。

昭和町誌』には、「ホタル合戦への追憶」(同書P405)とあります。これからブログで紹介したいと考えています。

また写真にあるように愛護会は、『昭和町源氏ホタル愛護会三十周年記念誌  源氏ホタルと昭和町』を発刊しホタル復活の熱き思いを載せています。これらも次回以降紹介します。

 

地方病教育推進研究会

事務局長